脆性材スラッジを除去するフィルターの重要性とは?
切削加工や研削加工で発生するスラッジを放置すると、さまざまな問題が発生する恐れがあります。本記事では、スラッジの概要と脆性材スラッジを除去するフィルターの重要性について解説します。
脆性材の加工におけるスラッジの発生過程
脆性材とは、力を加えると変形せずに亀裂が生じて壊れる性質がある、「脆く割れやすい材料」のことです。脆性材には、セラミック、コンクリート、ガラスなどが含まれます。脆性材を切削加工や研削加工すると、「スラッジ」と呼ばれる細かい切粉が発生します。
脆性材のスラッジが与える悪影響
加工精度や製品の品質が低くなる
加工時にスラッジが発生すると、クーラントにスラッジが混入する場合があります。スラッジが工具や材料の間に入り込んで加工が荒くなったり、寸法に誤差が生じたりすることで、製品の品質低下につながるため、取り除くことが重要です。特に高精度の加工が求められる製品では、スラッジが与える影響が深刻化します。
工具の寿命が短くなる
硬度の高い脆性材の加工で生じるスラッジは、工具の摩耗を引き起こし、寿命を縮めることがあります。工具の寿命が短くなり頻繁に交換が必要になることで、コストが増加するリスクが発生。また、交換頻度の増加により生産性が低下し、製造工程全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
機械の性能が低下する
スラッジの影響は、工具だけでなく機械に及ぶことも少なくありません。ポンプやバルブなどの機械にスラッジが入り込むと、故障や性能低下を引き起こす可能性があります。この影響によりダウンタイムが増加することで、製造工程全体に悪影響を与える要因となるため注意が必要です。スラッジによるクーラント液の性能低下により、設備全体の製造効率を下げるケースもあります。
脆性材スラッジを除去するフィルターが重要な理由
脆性材スラッジを除去するためには、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。クーラントに混入したスラッジをろ過するフィルターを設置すると、スラッジの混入を防ぎながら効率的に除去できるようになります。
また、フィルターを設置することでスラッジの混入を防ぎ、機械の寿命を延ばし、作業効率を向上させることが可能です。クーラント液の交換頻度を減らすことで、ランニングコストや工数の削減にもつながります。
フィルターには、代表的なものとして「カートリッジフィルター」があります。クーラント液に混入するスラッジを、フィルターエレメントによる捕集・除去が可能です。細かいスラッジにも対応しており、除去精度が高いため、他の装置でろ過できなかったスラッジを処理する二次処理としても活用されています。ただし、フィルターでろ過する際、目詰まりによって連続運転が困難になる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
脆性材スラッジは工具や機械設備の性能低下を招くだけでなく、作業工程に影響を与えます。クーラント液に溜まったスラッジをろ過するフィルターを設置して、効率的にスラッジを除去しながら機械性能や生産性を向上させることが重要です。
ウェッジワイヤー
スクリーン 2選
ウェッジワイヤースクリーンは、V字型の金属ワイヤーでできている目詰まりしにくいフィルターです。
流体の中に含まれる微細な異物を効率よく除去でき、洗浄しやすく耐久性も高いといった特徴があります。
ここでは、特に「SS(浮遊物質)」や「砂利・砕石」除去に特化したフィルターを手がけるメーカー2社をご紹介します。