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クーラント液フィルター

金属加工などの現場で使用されるクーラント液には、切粉や油分などの不純物が混入しやすく、これを放置すると装置や製品に悪影響を及ぼします。そこで欠かせないのが「クーラント液フィルター」です。この記事では、クーラント液フィルターの役割やメリット・デメリット、選定のポイントについてご紹介します。

クーラント液フィルターの役割と導入フロー

クーラント液フィルターの役割

加工液の清浄化によるトラブル防止

クーラント液フィルターは、加工中に発生する金属粉や油分をろ過し、クーラント液を常に清潔な状態に保つ役割を担っています。これにより、ポンプやノズルの目詰まりを未然に防ぐことができ、機械の停止を減らす効果が得られます。

装置の耐久性を向上させる

不純物が混入したクーラント液は、装置内部に摩耗や腐食を引き起こす可能性があります。フィルターによって異物を除去することで、ポンプや配管系統の寿命が延び、長期的なメンテナンスコストの低減にもつながります。

加工品質の安定化

加工液が常に清浄であることは、冷却効果や潤滑効果の維持にも直結します。その結果、加工精度のばらつきが抑えられ、製品の品質向上にも貢献します。

クーラント液フィルターのメリット

工具寿命の延長とコスト削減

ろ過されたクーラント液を使用することで、工具への負担が軽減されます。切削時の発熱や摩耗が抑えられるため、工具寿命が延び、消耗品の交換頻度も少なくて済みます。これにより、トータルのランニングコスト削減が実現できます。

クーラント液の交換頻度を減らす

フィルターがあることで、クーラント液の劣化が抑制され、液の交換サイクルを長く保てます。これにより、廃液処理の手間やコストも抑えられるだけでなく、環境負荷の低減にも貢献できます。

生産性と稼働率の向上

異物によるトラブルが減ることで、設備の稼働率が向上し、突発的な停止時間を回避できます。結果として、生産ライン全体の安定稼働が実現し、納期遵守や信頼性向上にも寄与します。

クーラント液フィルターのデメリット

初期導入コストがかかる

高性能なフィルターを導入する場合、それなりの設備投資が必要になります。特に遠心分離式や多層式など高精度な機種は価格帯も高く、コスト面の検討が不可欠です。

メンテナンスの手間が発生する

定期的な清掃やフィルターカートリッジの交換が必要となるため、日常的な点検作業が増える点には注意が必要です。交換を怠るとろ過性能が落ち、かえって異物混入を引き起こす要因となります。

装置との相性を考慮する必要がある

すべてのクーラント供給システムに汎用的に使えるわけではなく、設置スペースや液量、流量条件によっては使用が難しい場合もあります。導入前には、設備との相性や仕様の確認が重要です。

クーラント液フィルターの選び方

ろ過精度と対象異物を確認する

まず重要なのは、フィルターが対応できる粒径や性質を把握することです。金属粉、研磨剤、切削油など、取り除きたい対象によって適したフィルター構造が異なります。目的に応じて、ミクロン単位のろ過精度を備えたフィルターの導入を検討しましょう。

処理方式に応じた種類を選定する

フィルターには圧力式、重力式、遠心分離式など複数の方式があります。処理液の粘度や異物の比重、必要な処理能力などにより、適した方式は異なるため、現場環境に応じたフィルター方式の選定が求められます

メンテナンス性とランニングコストも重要

長期間使用する装置である以上、消耗部品の交換が簡単であることや、洗浄のしやすさも選定のポイントとなります。また、フィルター交換の頻度やコストについても、導入前に十分に確認しておくと安心です。

樹脂切削におけるクーラント液フィルターの重要性と選定ポイント

ここまで主に金属加工を想定した解説をしてきましたが、樹脂切削の現場においてもクーラント液(冷却水)フィルターは非常に重要な役割を担っています。樹脂の切粉は金属とは異なる性質を持つため、特有のトラブルや選定の注意点をあらかじめ押さえておく必要があります。

浮遊しやすい樹脂の切粉によるトラブル

樹脂の切粉は金属に比べて比重が小さいため、クーラント液の中で沈殿せずに液面に浮遊するケースが多く見られます。これが堆積すると、ポンプが空気を吸い込んでしまったり、微細な粉末が配管やノズルの目詰まりを引き起こして流量や冷却能力の低下を招く原因となります。

マグネット式が使えず、ペーパー式の消耗が早まるケースも

鉄粉の回収に多用される「マグネットセパレーター」は、磁力を持たない樹脂には効果がありません。また、微細な粒子の除去に有効な「ペーパー(ろ紙)式」フィルターも切削加工で広く使われていますが、微細な樹脂粉末が大量に発生したり、粘性のあるスラッジが出たりする条件では、ろ紙の消耗が早まる場合があります。その結果、フィルター交換の頻度が増え、ランニングコストや産廃処理費用の増加につながることがあります。

有効な選択肢の一つ「ウェッジワイヤー式」フィルター

樹脂切削の濾過にはペーパーバンドやサイクロン、バッグフィルターなども用いられますが、有力な選択肢の一つとしてウェッジワイヤーを用いたフィルターが挙げられます。断面がV字型(逆三角形)になった特殊な金属線を使用しており、表面のスリットを通過した異物が内部に引っかかりにくく、洗浄しやすい構造になっています。ペーパーレスで繰り返し使用できるため、加工条件が合えば消耗品コストの削減とメンテナンス手間の軽減が期待できます。

確実な冷却による「溶着」の防止

樹脂は熱に弱いため、切削時の摩擦熱や切粉の再溶融によって、刃物やワークに付着する「溶着」が起こりやすい素材です。適切なフィルターを選定して目詰まりを防ぎ、冷却水を常にクリーンな状態で十分な流量を供給し続けることは、樹脂加工の寸法精度や表面の仕上がり品質を保つ上で非常に重要です。

   
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