内圧式フィルターでスラッジ除去を効率化
スラッジ除去は、多くの産業や環境管理において重要なプロセスです。特に水処理や廃水処理の現場では、効率的にスラッジを除去する方法が求められています。内圧式フィルターは、その高い効率性から注目されています。この記事では、内圧式フィルターによるスラッジ除去の仕組みや、導入のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
内圧式フィルターによるスラッジ除去の仕組み
内圧式フィルターは、液体中に含まれるスラッジを効率的に除去するための装置です。フィルター内部に圧力をかけることで、液体をフィルター材に通し、スラッジを捕捉する仕組みを採用しています。
具体的には、以下の手順でスラッジが除去されます。
- 液体供給: スラッジを含む液体がフィルター内部に供給されます。
- 加圧: フィルター内部に圧力が加えられます。この圧力が、液体をフィルター材に通す推進力となります。
- ろ過: 圧力をかけられた液体は、フィルター材を通過します。フィルター材は、微細な網目構造を持っており、スラッジを捕捉します。
- スラッジ捕捉: フィルター材が、液体中のスラッジを物理的に捕捉します。捕捉されたスラッジは、フィルター内部に蓄積されます。
- 清浄化された液体: スラッジが除去された清浄な液体は、フィルターから排出されます。
内圧式フィルターの大きな特徴は、加圧によって微細なスラッジも効率的に除去できる点です。また、フィルター材の種類や圧力を調整することで、さまざまな液体やスラッジに対応できます。ドラムフィルターのように回転機構を持たないため、構造が比較的シンプルで、メンテナンス性にも優れています。
内圧式フィルターのメリット・デメリット
内圧式フィルターの導入を検討する上で、メリットとデメリットをしっかりと把握しておくことが重要です。ここでは、それぞれの側面について詳しく見ていきましょう。
メリット
- 高いスラッジ除去能力: 微細なスラッジも確実に除去できるため、油圧作動油などの清浄度を高く維持できます。設備の長寿命化にも貢献します。
- 省スペース設計: コンパクトな設計であるため、設置場所を選びません。既存設備への組み込みも比較的容易です。
- メンテナンス性の向上: ドラムフィルターのような複雑な機構がないため、メンテナンスが容易です。フィルター交換も簡単に行えます。
- 幅広い対応性: フィルター材や圧力の調整により、様々な液体やスラッジに対応できます。作動油、洗浄液、クーラント液など、幅広い用途で利用可能です。
- ランニングコストの削減: 適切なフィルター選定と運用により、フィルター交換頻度を減らし、ランニングコストを削減できます。
デメリット
- 初期導入コスト: 一般的に、従来のフィルターに比べて初期導入コストが高くなる傾向があります。
- 圧力損失: フィルターを通過する際に圧力損失が発生します。ポンプの選定や配管設計に注意が必要です。
- 目詰まり: スラッジが蓄積するとフィルターが目詰まりし、流量が低下する可能性があります。定期的なメンテナンスが必要です。
- 専門知識: フィルターの選定や運転条件の設定には、ある程度の専門知識が必要となる場合があります。
- スラッジの種類: 除去できるスラッジの種類やサイズに限界がある場合があります。
導入を検討する際は、これらのメリット・デメリットを総合的に考慮し、自社の設備環境やスラッジの特性に最適なフィルターを選定することが重要です。
まとめ
内圧式フィルターは、高いスラッジ除去能力、省スペース性、メンテナンス性の向上など、多くのメリットを持つ優れたスラッジ除去装置です。しかし、初期導入コストや圧力損失、目詰まりなどのデメリットも存在します。
導入を検討する際には、
- 自社の設備におけるスラッジ問題の現状を正確に把握する
- 内圧式フィルターのメリット・デメリットを十分に理解する
- 信頼できるメーカーや販売業者を選定する
- 専門家のアドバイスを受ける
といった点が重要になります。ドラムフィルターと比較検討し、どちらが自社のニーズに合っているかを見極めることも大切です。
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