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デプスフィルターのスラッジ除去とは

この記事では、スラッジ除去におけるデプスフィルターの役割に焦点を当て、その仕組みやメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。デプスフィルターがどのようなフィルターなのか、どのような場面に適しているのかを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

デプスフィルターによるスラッジ除去の仕組み

デプスフィルターは、日本語で「深層ろ過フィルター」とも呼ばれます。その名の通り、フィルターの「深層」、つまりフィルターメディア(ろ材)の内部全体を使ってスラッジを捕捉する仕組みを持っています。

具体的には、液体が繊維などが複雑に絡み合ったフィルター内部を通過する際に、スラッジ粒子がフィルターの繊維に衝突したり、付着したりすることで捕捉されます。まるで、液体がスポンジや綿の中を通り抜ける際に、中のゴミが引っかかるようなイメージです。

これに対し、フィルターの表面にある決まった大きさの穴で粒子を引っ掛けるタイプは「サーフェスフィルター(表面ろ過フィルター)」と呼ばれます。デプスフィルターは、フィルターの厚み全体を利用するため、比較的多くのスラッジを内部に保持できるのが特徴です。代表的なデプスフィルターには、糸巻きタイプや多孔質タイプなどがあります。

デプスフィルターのメリット・デメリット

メリット

デメリット

まとめ

デプスフィルターは、フィルター内部全体でスラッジを捕捉する「深層ろ過」方式を採用したフィルターです。多くのスラッジを保持できる能力(ダスト保持容量)が高く、ゲル状のスラッジなどにも対応できる可能性があるというメリットがあります。

一方で、ろ過精度や、目詰まり後の交換が必要になる点などはデメリットとなり得ます。

スラッジ除去の方法を選定する際には、除去したいスラッジの種類や量、求める液体の清浄度、運用コストなどを総合的に考慮する必要があります。デプスフィルターの特徴を理解し、自社の状況や目的に合っているかどうかをご検討ください。

メンテナンスコストを削減!
ウェッジワイヤー
スクリーン 2選

ウェッジワイヤースクリーンは、V字型の金属ワイヤーでできている目詰まりしにくいフィルターです。
流体の中に含まれる微細な異物を効率よく除去でき、洗浄しやすく耐久性も高いといった特徴があります。
ここでは、特に「SS(浮遊物質)」や「砂利・砕石」除去に特化したフィルターを手がけるメーカー2社をご紹介します。

SS(浮遊物質量)除去なら
東洋スクリーン工業株式会社
東洋スクリーン工業株式会社公式HP

引用元:東洋スクリーン工業株式会社公式HP
https://www.toyoscreen.co.jp/

特徴
  • 最小5μmでSS濃度が高い排水の固液分離が可能
  • 傾斜スクリーンでも起こるバルキングを防げる
砂利・砕石の除去なら
株式会社安藤スクリーン製作所 

引用元:株式会社安藤スクリーン公式HP
https://ando-screen.co.jp/

特徴
  • 砂利や砕石の処理にも耐えきれる全溶接構造
  • 使用環境に合わせて技術者が強度計算を行うので採石場などの過酷な環境にも適している