製紙工程における白水回収フィルター
製紙工程で発生する白水から繊維や填料を回収する「白水回収フィルター」は、コスト削減と環境対策の要です。本記事では、白水回収フィルターの役割や導入のメリット・デメリット、選定ポイントを解説します。
製紙プロセスにおける白水回収フィルターの役割
微細繊維(ファイバー)と填料の効率的な回収
抄紙機から排出される白水には、シートにならなかった微細なパルプ繊維や、紙の品質を高めるための炭酸カルシウムといった填料が大量に混在しています。これらをそのまま排水として処理してしまうことは、原料の損失に直結すると言えるでしょう。
白水回収フィルターは、こうした微細な成分を高精度に捕捉し、再び原料タンクへ戻すための重要な架け橋となります。効率的に繊維を回収することで、工場全体の歩留まりを向上させ、限られた資源を無駄なく製品へと変える仕組みが整います。
結果として、製造工程における原料ロスの最小化に大きく貢献する役割を果たしているのです。
プロセスのクローズド化と用水使用量の削減
近年の製紙工場では、環境負荷を低減するために「プロセスのクローズド化」が強く求められています。フィルターによってSS(浮遊物質)を除去された白水は、単なる排水ではなく、再利用可能な「処理水」へと生まれ変わります。
この処理水を抄紙機のシャワー水や原料の希釈水として再利用することで、外部から取り入れる清水の使用量を大幅に抑えることが可能となります。用水使用量の削減は、取水コストの低減だけでなく、工場全体の排水量を減らすことにも繋がります。
持続可能な工場運営を実現するためには、高度なろ過機能を備えたフィルターによる水循環システムの構築が欠かせない要素となっています。
白水回収フィルター導入のメリットと運用の注意点
原料ロスの抑制による製造原価の低減
白水回収フィルターを導入する最大のメリットは、これまで廃棄されていた有用成分を回収することで、直接的な製造コストの削減が期待できる点にあります。高価なパルプ原料や薬品の流出を防ぐことは、長期的な視点で見ると非常に大きな利益改善に寄与します。
また、排水処理施設へ送られる負荷が軽減されるため、一次処理で必要となる凝集剤などの薬剤使用量を減らす効果も見込めるでしょう。
さらに、最終的な廃棄物となる汚泥の発生量も抑制される傾向にあるため、産業廃棄物処理費用の削減という側面からも、経営上のポジティブな影響が期待されるのです。
目詰まり(閉塞)のリスクとメンテナンス性
一方で、白水回収フィルターを運用する上で避けて通れない課題が、繊維の絡まりによる「目詰まり」のリスクです。製紙用の白水に含まれる微細繊維は非常に細かく、一般的なフィルターでは短時間で閉塞を起こしやすい性質を持っています。
目詰まりが発生すると、ろ過流量の低下や圧力の上昇を招き、最悪の場合にはラインの停止を余儀なくされるケースも考えられるでしょう。
こうした事態を防ぐためには、定期的な洗浄作業やフィルター要素の交換といったメンテナンスが必要不可欠となります。導入時には、作業員の負担やダウンタイムによる損失を考慮し、いかにメンテナンスが容易な構造であるかを見極めることが求められます。
白水回収フィルターの選定ポイント
白水の性状に合わせたスクリーン性能の最適化
一口に白水と言っても、製造する紙の種類や使用する原料によって、含まめる成分や粘性は大きく異なります。そのため、回収対象となる繊維の長さや填料の粒径に合わせた、最適なメッシュサイズの選定が必要です。
網目が細かすぎれば目詰まりの頻度が高まり、逆に粗すぎれば回収効率が低下してしまいます。
また、パルプ由来のピッチやスライムなどの付着物が懸念される場合には、それらが固着しにくい表面処理や、ウェッジワイヤのような特殊な形状のスクリーンを採用することが推奨されます。現場の液性を正確に把握し、目的に合致したろ過精度を選択することが、安定操業への第一歩です。
自動洗浄機能による連続運転と省力化の実現
24時間操業が基本となる製紙ラインにおいて、手動での洗浄作業は大きな生産ロスの要因となり得ます。そのため、内部の差圧を検知して自動的にバックウォッシュ(逆洗)を行う機能を備えたフィルターを選ぶことが、運用効率を高める鍵となります。
生産を継続したままスクリーンを洗浄できるタイプであれば、オペレーターの工数を削減しつつ、常に安定したろ過性能を維持することが可能です。
特に、白水の濃度が高い環境や大流量を処理する現場では、自動洗浄の頻度や洗浄水の消費量も重要な比較項目となります。省力化と生産性の維持を両立させるためには、自社の操業スタイルに適した自動化レベルの検討が不可欠です。
SSや砕石の除去に強い
用途特化型2社をご紹介!
「工場やプラントで「SS(浮遊物質)が排水処理で残ってしまう」「砂利・砕石処理で目詰まりや破損が起きる」といったお悩みはありませんか?
ここでは、そうした現場ニーズに特化してフィルターを提供している注目の2社をご紹介します。
- ▼このような課題におすすめ▼
- 微細なSSまで除去したい
- 高耐久性が必要(砕石処理・粉砕ラインなど)
用途が明確な方は、この2社からの選定で効率よく導入できます!
引用元:東洋スクリーン工業株式会社公式HP
https://www.toyoscreen.co.jp/
| 除去対象 | SS(浮遊物質)・微細な固形分(〜5μm対応) |
|---|---|
| 想定使用環境 | 排水処理設備(食品・化学・医薬品工場など) |
| 主な構造 | 傾斜スクリーン構造(ステンレス製) |
| メンテナンス性 | 高圧洗浄で清掃可能/長寿命・交換頻度少なく保守コスト削減に貢献 |
| 導入実績 | 食品・化学・製薬業界などで採用実績あり |
- 排水中の微細なSSが原因で困っている
- 処理後の水質基準が厳しく、精密ろ過が求められる
- バルキングやスライム詰まりによる設備停止を減らしたい
- 食品、化学、医薬品工場の排水処理設備を強化したい
引用元:株式会社安藤スクリーン公式HP
https://ando-screen.co.jp/
| 除去対象 | 砂利・砕石・骨材(10mm〜数cm) |
|---|---|
| 想定使用環境 | 採石場、骨材工場、建設残土処理施設など |
| 主な構造 | 全溶接ステンレス構造(高耐久ワイヤースクリーン) |
| メンテナンス性 | 高耐久設計により交換頻度が低く、5〜10年使用可能 |
| 導入実績 | 全国の骨材関連企業、建材工場、リサイクルプラントなど |
- 砕石や骨材の除去設備を探している
- 設備の摩耗・破損が激しく、耐久性を最重視したい
- 現場の水量や設置傾斜などに応じた個別設計が必要
- 粉砕ライン・残土処理施設など過酷な環境に導入したい
