製紙工程の循環水処理におけるフィルター
製紙現場では水資源の循環利用が欠かせません。本記事では、シャワー水やシール水などの循環水処理におけるフィルターの役割や選定ポイントを解説します。ノズル詰まり等のトラブルを防ぎ、安定稼働を実現するためのポイントを確認しましょう。
循環水処理におけるフィルターの役割と導入のメリット・デメリット
役割:設備の保護とメンテナンス負荷の軽減
製紙工程で循環利用される水の中には、微細な繊維やピッチ、外部から混入した砂塵など、多種多様な異物が含まれています。
これらの異物が循環系統内に残留し続けると、製品の仕上がりを左右するシャワーノズルの閉塞を引き起こす可能性が高まります。ノズルが詰まると洗浄不足や湿紙の品質低下を招き、最悪の場合は操業を一時停止して清掃作業を行わなければなりません。
また、循環ポンプのメカニカルシール部分に固形物が入り込むことで、部品の摩耗を早める原因にもなり得ます。フィルターを設置して継続的に異物を除去することは、こうした突発的な故障やメンテナンス負荷を軽減し、生産ライン全体の稼働率を維持するために非常に有効な手段といえるでしょう。
導入によるメリットと、考慮すべきデメリット
フィルターを導入する大きなメリットは、水の有効活用によるコスト削減と製品品質の安定化にあります。外部からの給水を最小限に抑えつつ、クリーンな状態の水を再利用できるため、廃水処理の負荷軽減にも寄与します。
一方で、運用にあたってはいくつかの留意点も存在することを理解しておく必要があります。例えば、フィルター自体に異物が蓄積することで発生する圧力損失は、送水効率を低下させる要因となります。
そのため、定期的な洗浄やフィルターエレメントの交換作業が不可欠となり、それらに伴う管理コストや部品代が発生することは避けられません。メリットと運用コストのバランスを考慮した設計が重要です。現場の状況に合わせて、最適な仕様を検討することが求められます。
安定稼働を支えるフィルター選定のポイントとプレフィルタの有効性
異物の性質に合わせた濾過精度と自動洗浄機能の選定
フィルター選定においてまず重要となるのが、循環水の中にどのような異物がどの程度含まれているかを正確に把握することです。除去したい対象が微細な繊維なのか、あるいは粘着性のあるピッチなのかによって、最適なメッシュサイズや濾過方式は異なります。
濾過精度を上げすぎると頻繁に目詰まりを起こし、逆に粗すぎると保護したい設備に悪影響を及ぼすため、水質試験に基づいたバランスの良い選定が欠かせません。
また、多くの製紙ラインでは24時間の連続操業が行われているため、手動での清掃頻度を抑えるための工夫も必要です。運転を停止させることなく異物を自動的に排出できる自動洗浄機能付きのフィルターを導入することで、人手によるメンテナンス作業の負担を大幅に削減できる可能性が高まります。
プレフィルタ導入によるメインフィルターの負荷軽減
循環水の汚れが特に激しい環境や、大きなサイズの異物が不規則に混入しやすい系統においては、一段のフィルターだけで対応しようとせず、プレフィルタを併用することが推奨されます。
高精度のメインフィルターの手前に比較的粗いメッシュを持つプレフィルタを設置することで、大きな負荷を事前に取り除くことが可能になります。この二段構えの構成を採用することにより、メインフィルターが処理すべき異物の量が劇的に減少し、洗浄サイクルの長期化やエレメントの寿命延長といった効果が期待できるでしょう。
結果として、システム全体の故障リスクを分散させ、予期せぬ詰まりによるライン停止を防ぐことにつながります。特に、原水に近い循環系統や戻り水を利用する場合には、プレフィルタの存在が安定稼働を左右する重要な役割を果たすことになります。
処理流量と設置スペースの最適化
フィルターの性能を最大限に引き出すためには、供給される水の流量とシステムの圧力損失を詳細に計算した上で、最適なサイズを選定しなければなりません。処理能力に余裕がないフィルターを選んでしまうと、負荷が増大した際に供給水量が不足し、後段の設備に十分な水が届かなくなる恐れがあります。
一方で、過剰に大きな設備は設置スペースを圧迫し、初期コストも増大させるため、現場の限られたスペースに収まりつつ必要十分な能力を持つモデルを選ぶバランス感覚が求められます。
最近では、コンパクトな設計ながらも大流量の処理を可能にした高効率なモデルも増えており、既存の配管構成を大きく変更することなく後付けできるタイプも選択肢に入ってきます。将来的な生産量の変動や水質の変化も見据えつつ、柔軟なシステム設計を行うことが、長期的な運用における満足度を高める鍵となります。
SSや砕石の除去に強い
用途特化型2社をご紹介!
「工場やプラントで「SS(浮遊物質)が排水処理で残ってしまう」「砂利・砕石処理で目詰まりや破損が起きる」といったお悩みはありませんか?
ここでは、そうした現場ニーズに特化してフィルターを提供している注目の2社をご紹介します。
- ▼このような課題におすすめ▼
- 微細なSSまで除去したい
- 高耐久性が必要(砕石処理・粉砕ラインなど)
用途が明確な方は、この2社からの選定で効率よく導入できます!
引用元:東洋スクリーン工業株式会社公式HP
https://www.toyoscreen.co.jp/
| 除去対象 | SS(浮遊物質)・微細な固形分(〜5μm対応) |
|---|---|
| 想定使用環境 | 排水処理設備(食品・化学・医薬品工場など) |
| 主な構造 | 傾斜スクリーン構造(ステンレス製) |
| メンテナンス性 | 高圧洗浄で清掃可能/長寿命・交換頻度少なく保守コスト削減に貢献 |
| 導入実績 | 食品・化学・製薬業界などで採用実績あり |
- 排水中の微細なSSが原因で困っている
- 処理後の水質基準が厳しく、精密ろ過が求められる
- バルキングやスライム詰まりによる設備停止を減らしたい
- 食品、化学、医薬品工場の排水処理設備を強化したい
引用元:株式会社安藤スクリーン公式HP
https://ando-screen.co.jp/
| 除去対象 | 砂利・砕石・骨材(10mm〜数cm) |
|---|---|
| 想定使用環境 | 採石場、骨材工場、建設残土処理施設など |
| 主な構造 | 全溶接ステンレス構造(高耐久ワイヤースクリーン) |
| メンテナンス性 | 高耐久設計により交換頻度が低く、5〜10年使用可能 |
| 導入実績 | 全国の骨材関連企業、建材工場、リサイクルプラントなど |
- 砕石や骨材の除去設備を探している
- 設備の摩耗・破損が激しく、耐久性を最重視したい
- 現場の水量や設置傾斜などに応じた個別設計が必要
- 粉砕ライン・残土処理施設など過酷な環境に導入したい
