樹脂系工作機械の切粉・スラッジ処理に適したフィルター
樹脂加工では、水に浮きやすく粘着性のある切粉やスラッジが発生し、一般的なフィルターでは目詰まりや清掃負担が課題となる場合があります。本記事では、樹脂加工に適したフィルターの選び方と、目詰まりを抑える方法について紹介します。
工作機械における樹脂加工と切粉の課題
水に浮きやすい樹脂の切粉の特徴とは
樹脂を工作機械で加工する際に発生する切粉は、金属などの他の素材と比べて非常に軽量であるという大きな特徴を持っています。そのため、クーラント液などの液体と混ざった際に底へ沈殿しにくく、液面に浮遊しやすい性質があります。沈降を主体としたろ過方式では、浮遊したままの樹脂切粉を十分に除去できない場合があります。結果として汚れたクーラント液が循環し続けることになり、クーラント性能の低下やノズルの詰まりなどを招き、加工品質や設備の安定稼働に影響を及ぼす事態も考えられます。
粘り気を持つスラッジが引き起こす問題
切粉がさらに微細化してスラッジ状になると、樹脂の種類によっては粘着性を帯びたスラッジとなる場合があります。この粘り気のあるスラッジは、工作機械の内部や配管、さらにはクーラントタンクの壁面などに強力に付着してしまいます。一度こびりつくと水流だけでは簡単に洗い流せず、手作業による大掛かりな清掃作業を余儀なくされるケースも多いでしょう。清掃にかかる手間と時間が膨大になるだけでなく、放置すれば配管の閉塞を引き起こし、深刻な設備トラブルにつながる恐れも否定できません。
従来のフィルターで目詰まりが起きる理由
従来の金網や布製のフィルターを使用した場合、樹脂の切粉やスラッジが持つ浮きやすさと粘着性が災いして、早期に目詰まりを起こすトラブルが頻発します。とくに複雑に繊維が交差する構造のフィルターでは、隙間の奥深くに粘り気のあるスラッジが入り込んで内部閉塞を引き起こします。一度内部で絡みついてしまうと、表面をいくら水洗いしても汚れを落としきれません。その結果、フィルターのろ過性能が著しく低下し、頻繁な部品交換を強いられることになってしまいます。
樹脂の切粉処理に向いているフィルター
表面ろ過と深層ろ過の違いを理解しよう
フィルターを選ぶうえで、ろ過の仕組みを理解しておくことは非常に大切です。ろ材の内部で粒子を捉える深層ろ過タイプは、厚みがあるため多くのゴミを保持できる一方で、粘り気のある樹脂スラッジが奥に入り込むと洗浄が困難になります。対して、ろ材の表面で対象物をせき止める表面ろ過タイプは、内部への入り込みを防ぐ効果が期待できます。樹脂切粉のように付着性が高い対象では、表面ろ過が適するケースが多くあります。汚れを表面に留めておく仕組みを取り入れることで、後の清掃やメンテナンスをスムーズに行いやすくなるでしょう。
メンテナンス性を高めるフィルターの条件
樹脂の切粉処理においてメンテナンスの負担を減らすためには、付着した汚れを簡単に取り除けるかどうかが重要なポイントになります。単に表面ろ過であるだけでなく、洗浄時の水圧や物理的な衝撃に耐えられる頑丈な構造が求められます。とくに、フィルターの裏側から圧力をかけて汚れを吹き飛ばす逆洗浄機能に対応できる強度があれば、作業員の手を煩わせることなくろ過性能を回復させられます。交換頻度を減らして長期間使い続けられる素材と形状を選ぶことが、運用コストの削減につながります。
樹脂切粉の処理にはウェッジワイヤーを
ウェッジワイヤーの構造と目詰まり防止
樹脂特有の厄介な切粉やスラッジへの対策として、ウェッジワイヤーと呼ばれる金属スクリーンの活用が有効な選択肢となります。このフィルターは、断面が逆三角形になったワイヤーを等間隔に並べてスリットを形成している点が大きな特徴です。通過する物体に対して奥に行くほど隙間が広がる構造になっているため、微細な樹脂粒子がスリットの内部に挟まりにくくなっています。異物が隙間に留まる内部閉塞を抑えられることから、粘着質な樹脂スラッジに対しても目詰まりを遅らせる効果が見込めます。
逆洗浄のしやすさで長寿命化に貢献する
ウェッジワイヤーはステンレス鋼を全交点溶接して作られているため、非常に高い強度を誇っています。この強靭な構造により、高圧の逆洗浄を行ってもスクリーンが変形したり破損したりする心配が少なく、強力な水流で表面に付着した樹脂スラッジを一気に剥がし落とせます。目詰まりが起きても手軽な洗浄操作で本来のろ過性能を取り戻せるため、フィルター本体を交換する頻度を大幅に抑えられます。長期的な視点で見ると、部品代や交換作業にかかる人件費を圧縮し、安定した設備稼働を維持しやすくなります。
プラスチック製造機械における導入事例
プラスチック製品メーカーにおける、成形機等の洗浄排水ろ過の改善事例です。従来は、排水に含まれる微細な樹脂や顔料による処理の遅れ、日量500Lという小水量・高濃度に対応できる装置がないことが課題でした。そこで、三角断面形状で目詰まりしにくい高精度ウェッジワイヤースクリーンを搭載したろ過装置を導入。結果、SS(浮遊物質)濃度を99.997%削減し、定期的なエア逆洗によりフィルター交換も不要に。環境リスクの回避と月15時間の作業時間削減を実現しました。
参照元:東洋スクリーン工業公式HP
(https://www.toyoscreen.co.jp/case/?id=1563505180-751151)
まとめ
水に浮きやすく粘り気の強い樹脂の切粉やスラッジは、一般的な工作機械のろ過システムに多大な負担をかける場合があります。金網や布製のフィルターでは目詰まりによる清掃作業や頻繁な部品交換が避けられず、生産性の低下を招く要因となりかねません。そのような環境下において、逆三角形のスリット構造を持つウェッジワイヤーは、目詰まりを抑えつつ逆洗浄でろ過性能を回復できる実用的な選択肢です。自社の処理量やスラッジの特性に合わせて適切な設備を見直し、トラブルの予防とメンテナンス工数の削減につなげてみてはいかがでしょうか。
新しい設備を導入する際、「実際の液質で期待通りの効果が得られるか」と懸念されるケースは少なくありません。東洋スクリーン工業では、実機サイズのテスト機貸し出しに対応しており、事前の性能評価が可能です。ぜひ、ご相談してみてください。
以下では、同社が提供するウェッジワイヤースクリーンを紹介しています。こちらも、あわせてご参考ください。
SSや砕石の除去に強い
用途特化型2社をご紹介!
「工場やプラントで「SS(浮遊物質)が排水処理で残ってしまう」「砂利・砕石処理で目詰まりや破損が起きる」といったお悩みはありませんか?
ここでは、そうした現場ニーズに特化してフィルターを提供している注目の2社をご紹介します。
- ▼このような課題におすすめ▼
- 微細なSSまで除去したい
- 高耐久性が必要(砕石処理・粉砕ラインなど)
用途が明確な方は、この2社からの選定で効率よく導入できます!
引用元:東洋スクリーン工業株式会社公式HP
https://www.toyoscreen.co.jp/
| 除去対象 | SS(浮遊物質)・微細な固形分(〜5μm対応) |
|---|---|
| 想定使用環境 | 排水処理設備(食品・化学・医薬品工場など) |
| 主な構造 | 傾斜スクリーン構造(ステンレス製) |
| メンテナンス性 | 高圧洗浄で清掃可能/長寿命・交換頻度少なく保守コスト削減に貢献 |
| 導入実績 | 食品・化学・製薬業界などで採用実績あり |
- 排水中の微細なSSが原因で困っている
- 処理後の水質基準が厳しく、精密ろ過が求められる
- バルキングやスライム詰まりによる設備停止を減らしたい
- 食品、化学、医薬品工場の排水処理設備を強化したい
引用元:株式会社安藤スクリーン公式HP
https://ando-screen.co.jp/
| 除去対象 | 砂利・砕石・骨材(10mm〜数cm) |
|---|---|
| 想定使用環境 | 採石場、骨材工場、建設残土処理施設など |
| 主な構造 | 全溶接ステンレス構造(高耐久ワイヤースクリーン) |
| メンテナンス性 | 高耐久設計により交換頻度が低く、5〜10年使用可能 |
| 導入実績 | 全国の骨材関連企業、建材工場、リサイクルプラントなど |
- 砕石や骨材の除去設備を探している
- 設備の摩耗・破損が激しく、耐久性を最重視したい
- 現場の水量や設置傾斜などに応じた個別設計が必要
- 粉砕ライン・残土処理施設など過酷な環境に導入したい
